東播染工を知ってほしい。
だから
TOBANな人に聞いてみた
先染め生地の播州織を継承する東播染工は一貫生産で生地作りを行っている会社です。いい生地作りにはもちろん設備が大切。でもそれ以上に現場を守ってくれているプロたちの存在があってこそ。それぞれの仕事や思い、工夫を知ることでみんながひとつに繋がり、次の未来を一緒に作っていける東播染工になりたい。そんな思いから始まったのがこのプロジェクトです。
生地作りは人がいてこそ。
だからもっと知ってほしかった
河野
私は東播染工で生地の企画とデザインをさせていただいているのですが、その仕事をするには、本当に現場の方々に学ばなくてはできないんです。こんな生地いいなと思っても、染色でできるのか、織りでどう表現するのかとか、風合いは加工さんの知識が必要ですし。だから私にとってはいつも現場の職人さんたちのお話をお聞きすることが一番豊かな時間で。知れば知るほど、東播染工ってすごいな、こんなこと全部同じ会社の中でできるんだって嬉しくなります。でも展示会で接客させていただく場面などでも、一枚の生地にそんな多くの人たちが、しかもかっこいい人たちが関わっているなんて伝えられない。どこかでもっと知ってほしいなって思っていました。
岡田
生地のことを話すことはあっても、作っている人たちのことって話す機会がないですよね。本当に生地って人がいないとできないもの。しかも東播染工の人たちはすごいですよ。
竹内
外の人たちにもっと東播染工のことを知ってほしいという思いはもちろんありましたけど、私個人的には“閉塞感”も打破したかったんですよ。この業界って昔みたいにどんどん成長するという時代でもないので、どうしても停滞感がある。そういう時に、以前はみんなで集まって飲みに行ってコミュニケーションとってみたいな感じができたかも知れないけど、コロナ禍でそれもできない時期がありましたし、それだけではダメだなあと。もっと根本的に社内の人たちがつながり、話し合い、何か一緒にやっていけるそういうものが必要だと。そんな時、東播染工の糸染めから織り、加工まで一貫して作れる生地の良さをシンプルだけど日常で着続けたくなる服に仕立てあげた新しい試みの自社ブランドを2024年7月に立ち上げたんです。
岡田
自社ブランドや製品作りはね、みんな何年も前からやりたかったこと。服飾経験があり、パターンもひける人材が入社してくれてできるようになったし、こういうブランドを立ち上げることもできるんだということで社内のモチベーションも上がり、雰囲気も変わるんじゃないかなと思っています。
新しいことを始めたら、
新しい発見がありました
河野
社内ブランドが始まるにあたり、まず現場の人たちの話を聞いてみたいと思いました。ブランド立ち上げという初めての試みにワクワクしましたし、これをきっかけに会社の人たちが同じ方向を向いて一緒にできるものが始まること、それにはもっと現場の人たちのこと、仕事のことをお互いに知って、つながることで巻き込み感やグルーブ感が作れたらいいなと思ったからです。東播染工の人たちの中には寡黙な職人さんもいらっしゃいますから、最初は「えー、何を聞きたいの?困ったなあ。」なんておっしゃる方もいらっしゃいましたし、私も現場のことをわかってなくて、手が離せないタイミングとかでつい声掛けをしてしまったり、ご迷惑をかけたこともありました。でもいつしか「なんか話を聞きに来るらしい。」と伝わっていたらしく、「仕事の内容だけじゃなくって好きな食べ物とかも聞かれるんやろ?」なんて話す内容を準備してくださっている方も増えてきたり(笑)、小さな活動かもしれませんが、ちゃんと伝わってるんだなってうれしくなったんです。
竹内
みんなそれぞれに個性がありましたね。その中から各現場合わせてまずは20名を追加でインタビューさせてもらったのが今回このサイトで掲載しているものなのですが「なんかみんな日頃のイメージと違うなあ。」なんて発見がたくさんありました。仕事への思いや工夫を語ってくれるみんなを見ていて、もっとこういう時間をとって喋らなと思いましたし、以前やってた全員面談もまた再開したいなと。
岡田
人と人の関わりでしかできないのが生地作りだから、コミュニケーションは大事だなと。日頃、社員さんたちと立ち話はしていても、やっぱり面と向かって話さなきゃいけないなと思います。日常の不満はあたりまえに現実問題あると思うんです。昔と違って上の人に言われたからそのままやるなんて通用しない時代ですし。今の時代にあった話し方、つながり方を一緒に考えていくことが大切だと感じています。
竹内
昔みたいな組合とかそういうシステムでみんな一緒にやるということではなく、それぞれの個性ややりたいこと、自分なりの時間の使い方を尊重しながらも、芯でつながる、それが時代だと思うんですよ。
河野
私たち、生地を大きなロットで作っているじゃないですか。それを誰がどのように使っているかまではわからないですよね。でも作る方に目を向けたら、淡々と真摯に目の前のことに向き合っている東播の人たちひとりひとりがいる。
ひとりひとりの個性を
活かしながら、
一緒に未来を
作っていきたい
竹内
現場それぞれに特徴があって、関わっている人たちもいろんな考えを持っていて、でもみんなが一枚の生地を作るというところで繋がっている。今更ながら技術的にも東播って面倒くさいこと、大変なことやってるなあって。みんなちゃんとやってるな、すごいなあって、大きな発見がありましたね。だからこそ、東播らしい生地作りを続けていきたい、続けられるようにしたい。そして東播の良さを知ってもらえるようにどうやって見せていくか。社内も社外もね。
岡田
東播は実習生さんなど海外から来てくれている方も他地域出身の人たちもいますが、比較的西脇周辺の人たちが多く働いてくれている会社で、地域と播州織の歴史に根ざした会社。シャツ生地を中心とした日常に着られる心地よい生地を作り続けています。でもその影には技術を突き詰めているTOBANな人たちの存在がいる、それが東播染工のよさ。
竹内
今回のインタビューを読んで、それぞれの現場や仕事の面白さ、そこに携わる人たちの魅力あふれる人柄を知ってもらって、一緒に働きたいって思ってくれる人が増えたら良いなと思っているんですよ。
河野
仕事の側面もそうですが、それぞれの趣味や興味の幅もすごかったですね。釣り、ゴルフ、DIY、お菓子や料理、そういえば専務は園芸が趣味だし、社長はギタリスト?!なんか東播の中だけでバンドが組めたり、ワークショップできたり、イベントができそうなぐらい多才な人たちばかりでしたね!
岡田
昔はみんなで社員旅行とかで親交をはかっていたけど、今はそれぞれの得意分野を持ち寄るそんなイベントがいいかもね。
竹内
本当に東播染工ってあらためて面白い会社だなって思いますよ。人がいいよね、本当に。もっと繋がって何かやっていきましょうか!
岡田
これからも東播染工のTOBANな人たちを紹介していきましょう。