インタビュー
interview
染色:サイジング部 ワーパー(糸巻き)

井上 トゥー

INOUE THU
勤続5年目
染色
井上さんの趣味

料理。日本料理ならおでんが好きで冬になるとよくつくります。具は牛すじ、玉子、ちくわ、こんにゃく、大根、豆腐。ベトナム料理ならブン。細いそうめんのような麺にトマトベースのスープ。
最近は行けてないけど旅行好きです。沖縄へ行きたい。

井上さんの仕事

経糸の準備工程。経糸を染色するために、原糸をビームに巻き取るところを担当。

糸も文化も人も
繋がるのが楽しい

私はベトナム出身なんですが、実習生として3年間東播で働いた時に初めて機織りに出会いました。当時10人で一緒に日本にきて、3年経ってみんな帰国しましたが、私は2024年の12月で丸10年になります。2014年に再入社してからずっとワーパーの担当です。日本に来ようと思った理由は、ベトナムでちょっと日本語を学んでいたのもありますし、日本のイメージが良かったんです。景色もいいですし。私の名前、トゥー・ファムティスアンって、トゥーが秋、スアンが春を意味するベトナム語なんですよ。季節感がある日本みたいでしょう?

日本人ってベトナム人よりも勤勉で、働き方が真面目なのもいいですね。約束しても30分ぐらいずれて伸びるベトナム人に比べて日本人はきちんとしていたり。

え、私ですか?プライベートではどうかって?仕事場での私と変わらないと思っていますが(苦笑)。

機織りとワーパーそれぞれ
難しいけど楽しいです

ワーパーは難しいからできる人が少ない仕事で、私が休むと仕事が止まるなんて社内で言ってくださるのですが、私はむしろ、機織りの方が生地の確認で間違いがわかるので難しいと思います。だって織ってしまった後ですから。でもワーパーは経糸を巻いたり、糸割りも時々行う仕事なのですが、1週間ぐらいでできるようになりました。
糸ってみんな同じではないので、太い糸と細い糸があったり、弱い糸は切れやすいからちょっと調整して結んで直します。私にとって生地は難しかったけど、糸の段階だと間違っているところに自分から気がつけるので機結びし直せるのがいいです。
確かに、細かい仕事ですよね。現場仕事でも加工以降は男性が多いですけど、糸捌きは女性が多い。いずれにしろこの仕事に向いている人って、きっちりしている人がいいかもです。
好きな生地はあまり生地に触る機会がないからわからないのですが、糸ならスーパーマリン80番双糸が使いやすいし強くて、埃も少ないので好きな糸です。きれいなシャツ生地って80番双糸多いですよね。綿麻の糸は嫌いなんです。ケバが飛んでかゆくなるので。

糸や布が好きな仲間を
増やしていきたい

ベトナムへは今も年1回だけ帰国しています。夫は飛行機が怖いから一人で行きます。出身が中部なので、フエ料理とか、麺も丸いブンと呼ばれるものがメイン。おいしいですよ!
休日は実習生の人たち、インドネシアとかベトナムの子達が社宅に住んでいるのですが、その子たちと一緒にバトミントンしたり、お花見いたったりしています。この辺りは4期、5期、6期生ぐらいの子達です。7期生は別な家にいます。教会でもばったり会ったりしますね。自分もそうでしたが、実習生の人たちと仕事だけでなく交流することで発見できることっていっぱいあるなと思っています。
私は実習をきっかけにここに来て、その後就職したので、今は他の実習生さんたちとの時間を通じて、仕事の楽しさや日本で働くことについてなど共有したりしています。昼休みは家が近いので自宅に帰って食べるので食堂で集ったりなどはしていませんが、実習生さんたちは工場の2階で集まっていたりするので、他の部署の人たちや作っている生地、仕事に出会える場があるといいですね。「この会社いいよー、ここで働くの楽しいよ!」ってこれから東播に来る人たちに言ってあげたいです。「しっかりお金も貯めなきゃ!頑張らなきゃって!」って思って日本での仕事を選びましたが、実際やっていく中で、東播の仕事、生地にまつわることって細かいものが多いですけど、ちゃんと持ち場を任されることがとても嬉しいし、やりがいがあると思います。
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