インタビュー
interview
織布:巻き掛け

吉川 貴博

YOSHIKAWA TAKAHIRO
勤続19年目
織布
吉川さんの趣味

魚。見るのも釣るのも食べるのも好きです。見るのはクマノミが好き。釣りやご当地海鮮丼を食べに行く時のドライブも趣味。BGMはJPOP。昔録音したのを聴いてたりします。
以前は車もシャコタンとかカスタムやってました。

吉川さんの仕事

ドローイング(経通し)して作った経糸の巻を織機にのせて織れるように準備し、きちんと織れているかを確認する「巻き掛け」を担当。効率よくうまく織れるように織機を調整、自ら修理することも。経糸と緯糸が止まらないように調整したり、織り段や欠点がなくなるように対処、難しい糸を織れるように試すこともあります。エアー織機、レピア織機のどちらも見ています。

珍しい生地が織れる
レピアの面白さを
伝えて仲間を増やしたい

元々電気機器関連の仕事をしていて、転職で東播に来て18年、巻き掛け一筋です。ものづくりや生地に特別興味があったとは言い切れませんが、祖母が洋裁店をやっていて、生地サンプルは家にありました。

巻き掛けの仕事は糸をセットして織り終わるまでで、糸をかける、トラブルを直すの連続ですね。トラブルは機械の不具合が主な原因です。大きいもので2500m、一日100〜130mが16時間。それらの糸が切れたら結び直しが必要ですし、エア織機で糸が飛ばないとかいろんなトラブルあります。巻き掛けをやっていて、「これは難しいのが来たぞ。」って思うのは糸が細いもの。特にナイロンの緯糸、飛ばしにくいんですよ、空気抵抗が少ないから滑るんです。

また、糸細すぎてしっかり織ってもゆるむものとかもありますよ、ポリの糸とか特にね。

いろんな糸巻き掛けしていますけど、気に入っている生地を今回持ってきました。

自分で織った生地。
実は困った人気商品

レピアで織った75デニールの生地。自分で織っておいたものです。
これは軽くて乾きやすく、シャツになりやすい強度もある良い生地で、よくオーダーをいただく企画の定番・人気商材です。でも実はこの生地、はじめは糸が緩んだり、切れたり、織るのが大変だったものなんです。レピア織機って東播に織機が90台ある中でたった5台だけで、緯糸に変わったものを使う場合はレピア織機に回わってくるのですが、その中の一つがこの生地。たくさん織っていくうちに、初めに比べたらトラブル減って安定しました。

自分があれこれ試行錯誤して作っていた生地がこのように定番になるのは嬉しいですね。やはり自分で試してやっているからこそ、「こういうことやってほしい。」っていう要望も理解できるんだと思います。でも1日2日、時間をきちんと取れて向き合えたらできるのに、現実的にはできないこともいっぱいあったりするので、あと何人か巻き掛けさんがいたらなあと思ったりします。
この仕事では気の長さが必要だとは思います。一つの傷を治したいけど、何度やっても治らなかったり、同時に10本糸が切れたり!わーってさすがになりますよ、気持ちが追いつかないですからね。大雑把なところがあるとはいえ、さすがにね。そういうトラブルでめげたら5分か10分かちょっとコーヒー飲んでやり直します。口が悪い、短気な人は向かないかもしれませんね。

生地のその先を見る
機会は欲しいです

糸が生地になるところを見ているのが一番面白いですね。組織を見るのが楽しいんです。この組織がどんな柄になるのかって見ていることが格別です。
生地が織られたあと、加工を経て仕上がった生地や製品が見られる場所があるといいなと思います。せっかく一貫で作っている会社ですから。とはいえ実際持ち場を離れる時間はほとんどなくて、一人で巻き掛け15〜16本を見ていて、自分でかけてるのは2本ぐらい、レピアの難しいものは1本。そんな状態ですから、仕事を抜けて見に行けるかというと難しいですが、以前、全体忘年会の時にサンプルを見せていただけたこと、よかったですね。仕事現場の近くや日頃の動線上にあったら見に行きやすいですね。そんなに時間がないのかって思われるかもしれませんが、現場は分業ではなく、同じ人が企画からの細々としたものを考え取り組み、織り、流れを進行していたりもします。人数が増えて、余裕が生まれたら、目の前のタスクをこなすだけじゃなく新しいことができそうですよね!私も入社前から仕事の内容って知ってたわけではなく、気がついたら18年、それこそレピア織機が入って12年です。今ではレピアで気分が上がりますよ。変わった生地が織れますからね。おかげさまで珍しい生地に興味を持つようになりました。今では私がレピア専属なので、私が休むとレピア織機止まってしまうんですよ(笑)。レピア仲間、募集してます!
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