インタビュー
interview
織布:経糸の準備

安岡 秀子

YASUOKA SYUKO
勤続6年目
織布
安岡さんの趣味

仕事も趣味も布、織物です。会社の2階に30cm巾くらいのサンプル織機があるので使いたいなあって思って見ています。手織りも興味があります。YouTubeで見てたらやりたくなるんですよ(笑)。料理は中国料理も作りますが、広州出身なので辛い味付けではないです。祖父は上海蟹の養殖をしていました。むしろ日本料理好き。お米を圧力鍋と土鍋、普通の鍋で炊き比べたり。

安岡さんの仕事

経糸準備。サイジング後のまだ色柄が組めていない経糸の巻を、リーチングマシーンで柄組みする「畦とり」を担当。経糸がねじれていないか、きちんと色柄になっているかなどの最終チェックもします。

布や糸の美しさ
織機の面白さを
もっと伝えていきたい

中国出身で、2012年から実習8期生として来日して3年間過ごし、そのあと就職して今に至ります。織物は17歳から中国で始めたので、織布は全般いろいろできます!今はリーチングマシーン専属で動かしているんですが、機械の調子が悪い時は経通しを手でやります。これができるのは私だけって言っていただけるんですが、この仕事は細かいけれど、できた時にすごく嬉しいんですよ。実習生にはベトナムからの子達もいますけど、彼女たちの中には織物の経験がない子もいます。その子たちに教えることもやっています。

経糸生地を想像して
ワクワクしています

仕事でもプライベートでも、私は布が好きで、特にストライプや柄物が好きなんです。経糸の準備をしているときにいろんな色の糸を毎日見ているのですが「この糸たちがこれからどんな布になるんだろう?」って想像するのが楽しいんですよ。
だから、プライベートで服を見に行ってもやっぱり肌触りのいい布を探して触ってしまいます。「ああ、気持ちいいなあ、この布。」っていう感じが好きです。色は紫が一番好きですし、ピンクも好き、でもいろんな色が好きなので、チェックの布とかだと経糸緯糸にいっぱい色があるでしょう?細かいチェックだとさらにワクワクします。たとえば小さな凹凸があるような生地も素敵だなあと。
社内で結婚し、夫も同じ部署にいます。家に帰ったら夫と今日の布の話をしたりします。私は糸の段階だけを見ているのですが、夫は織るところにいるので、布の切れ端とかちょっぴりもらったりして、「あの経糸がこうなったんだ!」なんて話したり。それが楽しいんです。違う部署との交流もあって、女子会カラオケには4人以上集まりますよ。休日は畑の手伝いをしていたり、夏だとスイカ、ピーマン、シシトウ、花、ブドウとかいろいろ収穫できて楽しいですよ。

難しさよりも
達成感

仕事の難しさに悩むことより、難しいことがあっても後で考えてもっと良くできる、改善できるって思えます。何より布や織ることが好きなので、難しさは苦にならないですね。トラブルという意味では、たとえばですが、経糸が他の会社で糊付けまで用意されて、巻いてる途中に切れた部分があってもそのまま納品され、筬に通されていることや、それだけではなく、切れたり畦(柄組み)が飛んだりしたものがある場合、織り始めてからそのトラブルに気がつくこともあって。その場合は手でひとつひとつ結び直していきます。確かにこの作業は3年の実習期間だけではできるようにはならないことかもしれません。いろんな経験を積んで、縞割とかわかってないとできないからです。でもとても達成感がある仕事でもあるので、若い人やものを作るのが好きな人、好きな仲間を増やしたいですね。仕事だけではなく、いろんな布触ったり、「こんな布欲しいなあ、作ってみたいなあ!」という楽しみを一緒に感じられる人がもっと増えたらいいなと思います!

もっと知って触れて
布好きが増えたらいいなと

これからやっていきたいこと。色染めはまだできないし、難しいけど、挑戦してみたいです。自分では畑で綿を育てていて、布団は全部綿で作りました。太陽に干すと匂いが違うんですよ。やっぱり綿が一番好きです。社内では、試織用の細幅の織機があって、かなり昔のものなんですが、それで布を織ってみたいと思っています。もっと布と出会う場所を作ってあげたいなと思うんです。なぜなら私はこんなに布好きですが、やっぱり私も布に触ったり、織ることと出会うことで良さがわかったので、知る機会が増えたらもっと好きな人が増えるんじゃないかなって。たとえば2階のスペースに大きな布を吊ってあると思うんですが、あれだけで、東播の布の良さって体感できますよね。若い人にも織機や布に触れる場所があればいいですね。社内の人だけでなく、地域の人や子どもたちも含めて出会える場所。たとえばショップやカフェ、ワークショップがつながっていて、糸から染められたり、使っていない糸を織ってみたりできるといいですね。東播で織っている地元の生地と小学生がもっと接点があるといいなと思うんです。工場見学とか来られていますが、それに加えて、たとえば、小学生って給食のナフキンとかエプロンとか作ると思うんですけど、私たちの生地で作れたらいいですよね!
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